おすすめ『さらばわが愛 覇王別姫』

私が紹介したい作品のひとつ、『さわばわが愛 覇王別姫』です。1920年、ひとりの男の子が京劇俳優養成所に連れていかれるところから始まります。

覇王別姫という話は、国語の漢文で少し教わった記憶があります。この映画はその覇王別姫を演じる京劇の役者達と彼らをとりまく人達の話です。

京劇の男役と女役の役者達の、とくに女役(冒頭で養成所に連れてこられた男の子)の過酷な運命、時代の大きな流れに振り回されながら生きる人達を描いています。

見どころはたくさんあります。京劇の舞台や音楽の豪華さ、それがより舞台の裏の現実の残酷さを引き立てているように見えます。

女役の役者が幼いころから自分を助けてくれた男役の役者に思いをよせますが、男役のほうはそのことをしっかり受け止めず、軽く流してしまいます。女役の役者にとって、いろんな意味で人生は過酷なのです。

女役の役者を演じるのはレスリー・チャン、日本でも人気が高かった俳優ですが2003年に自ら死を選ぶという悲しい最期をとげてしまいました(このことを知らない人も今では多いと思いますが)。しかしこの死が、この作品のラストともかぶり、なおさら悲しく感じてしまうのだと思います。

女役の役者が思いをよせる男役の役者の結婚相手役のコン・リーも、日本で人気があった女優です。コン・リーの美しさもこの作品の魅力のひとつです。コン・リーが演じる女郎の、生き抜くための必死さとたくましさも印象的です。